おいしいビールに欠かせない「ホップ」とは?その役割と種類を紹介!

2022年04月14日 更新

おいしいビールに欠かせない「ホップ」とは?その役割と種類を紹介!

■ホップについて

ホップとビールの関係性

ホップとは、アサ科のツル性の植物。ビールに苦味や香りなどをつける原材料として使用されています。
ビール作りで重要な存在として、ホップの受粉前の球花が持つ「ルプリン」に多く含まれる「アルファ酸」という成分があります。
「アルファ酸」は、熱を加えることによって「イソアルファ酸」に変化し、ビール特有の爽やかな苦味のもとになるのです。
ホップの栽培はドイツやアメリカが最も多く、日本では主に北海道・東北地方で栽培され、国産のホップは岩手県が最大の生産地となっています。

ビール作りの工程とホップの添加

ビール作りには多くの工程が存在します。
主原料である麦芽を発芽させる「製麦」、ビールの苦味や香りを出すための「ホップの添加」、冷却した麦汁に酵母を加える「発酵」、まろやかさを出す「熟成」、最後の工程である「ろ過」などです。
すべてを丹念に行うことでおいしいビールができあがるのですが、ホップはビールにどのような役割をもたらしているのでしょうか。

■おいしいビールを作る、ホップの役割

ビール特有の「苦み」

ビール特有の爽やかな苦味はホップによるものです。
ビールのもととなる麦汁にホップを加え加熱することで、ホップの持つ苦味成分が麦汁にうつります。
ちなみに、苦味をつけることが得意なホップは「ビタリングホップ」と呼ばれています。

3つの要素からなる「香り」

ビールにおけるホップの役割は苦味だけではありません。
ビールの香りは、酵母由来の「エステル香」、ホップ由来の「ホップ香」、モルト由来の「モルト香」の3つの組み合わせからできています。
「ホップ香」はホップの種類によって異なり、柑橘系のような香りの「シトラシー」、花のような香りの「フローラル」、香辛料のような香りの「スパイシー」、青い草のような香りの「グラッシー」と表現されます。

ビールに重要な「泡もち」

ビールの泡にもホップは関係しています。
炭酸ガスを逃さず、苦味成分をやわらかにするためにもホップが使用されており、ホップを多く使用したビールほど泡もちが良いとされています。

ビールの腐敗を防ぐ「殺菌・防腐効果」

ホップには殺菌・防腐効果もあり、時代が進み殺菌技術が高まるまで、この効果はとても重要だったそうです。
18世紀末、インドがイギリスの植民地だったころ、イギリスからインドまでの海上輸送中にビールが腐敗しないよう、ホップを大量に使用したビールを製造していました。
これが現在のIPA(インディア・ペールエール)の誕生の経緯とされています。

■代表的なホップの品種

ホップの品種は100を超えるそうです。ここでは「ファインアロマホップ」「アロマホップ」「ビターホップ」など、代表的な品種ごとに、その特徴、香りや苦味、産地などを紹介していきます。

ファインアロマホップ

ファインアロマホップを使用したビールは、香りと苦味が穏やかで上品な味わいが特徴です。
ホップの中でも高級とされ、ファインアロマホップの代表的な品種、チェコ産の「ザーツ」は、ピルスナータイプのビールで使用されています。

アロマホップ

アロマホップは、華やかな香りが特徴的です。
アロマホップの代表的な品種の「カスケード」はアメリカ産で、ペールエールやIPAでよく使用されています。華やかでスパイシー、柑橘系の爽やかな香りが印象的です。
同じくアメリカ産のホップ「シトラ」は、より柑橘系の香りが強く、ビールに芳醇な香りを生み出します。

ビターホップ

ビターホップは「ビタリングホップ」とも呼ばれ、苦味を重視した味わいのビールになるのが特徴です。
ビターホップの代表的品種はドイツ産の「マグナム」で、苦味のもととなるアルファ酸の含有量が多く、ピルスナーによく使用されます。

日本生まれの代表的なホップ

日本産の代表的なホップは「信州早生」です。
1910年に札幌で栽培が開始されている、歴史のある国産ホップとなっています。
アロマホップに分類される「信州早生」は、レモンのような爽やかな香りが特徴で、フレッシュなビールに使用されます。
「信州早生」は、ピルスナー、ペールエールのビールによく使用されています。

■岩手県の国産ホップを使用した、セブンプレミアム限定のビールが発売中

セブンプレミアム限定ビール「岩手県軽米町中里さんのホップ畑から」は、岩手県軽米町でホップ栽培の歴史を守る組合の※最年少農家・中里さんが作った国産ホップの伝統品種「信州早生」を使用したビールです。
若手ホップ農家と若手ブリューマスターのコラボレーションにより生まれた、穏やかな苦味と雑味のない澄んだ味わいが特徴となっています。
国産ホップの栽培の歴史は長く、明治初期に北海道で栽培が始まったとされています。
戦後は東北地方だけではなく、長野、山梨、新潟などに産地を拡大し、1960年代にピークを迎えます。
その後、安価な外国産ホップの輸入量が増え、国産ホップの生産量は減少していきました。
現在も国内のホップの生産量は少ないままですが、近年になり国産ホップに注目が集まり、長い間衰退していた国産ホップの栽培状況を改善させていくチャンスの兆しが見えています。
※岩手県北ホップ農業協同組合内(2021年7月時点)

作り手の声

「心を込めて育てた「信州早生」がこのような商品になり大変嬉しく思います。より多くのみなさまに、この味わいを楽しんでいただけたら幸いです。」(ホップ農家・中里直人さん)
「グリーンな特徴の香りと、雑味が無く飲み飽きない味わいになるようにこだわりました。中里さんが丹精込めて育てたホップの味わいを、ぜひお楽しみください。」(サッポロビール(株)ブリューマスター・小泉智洋さん)
公式サイト:
https://www.sapporobeer.jp/7premium_hopseries/

■熱い期待の集まる国産ホップ

昨今のクラフトビールブームに伴って、国産ホップが見直され、よりいっそう注目を集めています。質の高い国産のホップを使用することが付加価値となり、熱意を持った農家が新たにホップの栽培に参入したり、ビール製造者(ブルワー)と協力し地域の活性化に取り組んだりと、これからのホップ栽培に大きな期待が集まっているのです。
国産ホップ農家の愛と情熱がつまった、セブンプレミアムの限定ビール「岩手県軽米町中里さんのホップ畑から」。作り手の込めた気持ちに思いを馳せ、じっくり味わってみてはいかがでしょうか。

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※はちみつは、1歳未満の乳児には与えないでください。
※2022年4月14日現在の情報です。

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